中途入社には目に見えない「壁」がある。

中途入社には目に見えない「壁」がある。

「よし、経験豊富な〇〇さんが入社してくれた! これでうちの部署も安泰だ!」

人事としては、経験豊富な中途社員の入社は、本当に嬉しいし心強いですよね。

でも、期待を込めて迎えたはずなのに、「あれ?なんだか本来の力を発揮できていない…?」「もしかして、新しい環境に馴染めなくてきついのかな…?」と、入社したばかりの社員を見てこんな風に感じた経験はありませんか?

この背景には、中途社員だけに原因があるのではなく、多くの会社に存在する「見えない壁」が原因かもしれません。

「見えない壁」とはマニュアルには決して載っていない、その会社ならではの「暗黙のルール」や「独特のカルチャー」のことです。

社会人として経験豊富な人だとしても「見えない壁」には戸惑ってしまうことがあるかもしれません。

この記事では、

  • なぜ「即戦力人材」はスタートで挫折しやすいのか?
  • その「見えない壁」の正体とは?
  • どうすれば壁を壊して、中途社員がスムーズに組織に溶け込めるのか?

これらの疑問について、具体的なヒントと共にお答えしていきたいと思います。 中途社員、人事、経営者の皆様、ぜひ一緒に、この「壁」を乗り越える方法を考えていきましょう!

目次

なぜ?「即戦力」のはずが、スタートダッシュで挫折する理由

輝かしい経歴やスキルを持っていても、新しい環境で100%の力を発揮するのは、実は簡単なことではありません。

そこには、いくつかの「落とし穴」が潜んでいます。

「前の会社では、こうでした」が通用しない現実 

経験豊富な人だからこそ、前職でのやり方や「常識」が体に染み付いているものです。

でも、会社が変わればルールも文化も大きく変わります。転職をした人であればわかるかもしれませんが、こんな経験をしたことはありませんか?

早期に信頼を勝ち取ろうとして、「良かれと思って」やったことが、新しい職場では全く評価されなかったり、むしろ「え?」という顔をされたり…。

この価値観のギャップに、まず戸惑いを覚える人は少なくないでしょう。

期待というプレッシャーと、慣れない環境での孤独感 

「即戦力」という期待は、時に大きなプレッシャーになるでしょう。中途で入社した人の多くが「早く成果を出さないと」という焦りを抱いてます。

でも、周りは知らない人ばかり、社内システムもよく分からない、誰に何を聞けばいいのかすら手探り…。そんな心細さや孤独感が、その人の仕事のパフォーマンスを低下させてしまうのです。

あなたの会社にも潜む? 中途入社者を阻む「見えない壁」の正体

では、その「壁」とは具体的にどんなものでしょうか? いくつか代表的なものを挙げてみましょう。

仕事の進め方やスピード感の違い

 「え、この作業にこんなに時間をかけるの?」「求められるクオリティが全然違う…」など、業務プロセスや求められる基準の違いは、想像以上にストレスになることがあります。

人間関係とコミュニケーションの「お作法」 

誰がキーパーソンなのか、この件は根回しは必要か、会議での発言のトーンは?など、組織内の関係性やコミュニケーションの暗黙ルールは、新参者には分かりにくいもの。

これらのお作法を掴めないと、スムーズな連携は難しいですよね。

最強の壁? 言語化されていない「暗黙ルール」 

そして、最も手強いのがこれ。マニュアルには決して書かれていない、その会社ならではの「当たり前」というもの。

「〇〇さんにはCC必須」「稟議はまず△△さんに相談」など、ベテラン社員なら無意識にやっていることも、新人には知る由もありません。

要注意!「暗黙知」が引き起こす、負のスパイラル

この暗黙知の壁にぶつかり続けると、「なぜ評価されないんだ…」「自分はこの会社に合わないのかも…」と本人のモチベーションは低下。

周りも「なんでできないんだろう?」とフラストレーションを感じてしまい、お互いにとって不幸な状況に陥ってしまいます。

「まあ、そのうち慣れるでしょ」が危険なワケ

この「見えない壁」を個人の問題として放置しておくと、組織全体にじわじわと悪影響が広がっていきます。

パフォーマンスとエンゲージメントの低下 

本来の力を発揮できない状況は、本人のやる気を削いで、会社への貢献意欲(エンゲージメント)さえも低下させてしまいます。

悲しい結末…早期離職とコスト増 

「もうここで活躍するのは無理だな…」と諦め、早期に離職されてしまうと、採用・育成にかけたコストと時間は水の泡です。

再び採用活動が必要となり、この繰り返しが組織にとっては大きな損失となります。

受け入れ部署の疲弊とチームの士気低下 

新メンバーのフォローにばかり時間を取られ、現場が疲弊してしまうこともあるでしょう。

定着率が低い状態が続けば、チーム全体の雰囲気も悪くなりかねません。

壁を壊して、実力を取り戻す!明日からできるオンボーディング5つの鍵

では、どうすればこの「壁」を取り払い、中途入社者が安心して良好なスタートダッシュを切れるのでしょうか? ここからは、具体的な5つの鍵をご紹介します。

【意識改革】「即戦力」の呪縛から解放されよう!

 まず大切なのは、受け入れ側のマインドセットです。「中途採用=即戦力」という思い込みは一旦手放しましょう。

どんなスーパーマンだって、新しい環境には慣れが必要です。「焦らないで少しずつ慣れていきましょうね」「分からないことがあったら何でも聞いて下さいね」という、仲間の温かい姿勢が、何よりの安心材料になります。

【言語化・可視化】「当たり前」を、ちゃんと伝えよう! 

社内の「当たり前」は、新人にとっては「???」だらけです。面倒くさがらずに、暗黙ルールを「見える形」にしておきましょう。

業務マニュアル、FAQ、役割が分かる組織図、社内のキーマン、社内用語集、オフィスルールなどを整備し、ポータルサイトなどで、いつでもアクセスできるようにしておくことはすごく大切です。

そして、これらを定期的に更新することも忘れずにやっておきましょう。

【伴走支援】孤独にさせない!頼れる味方を用意しよう! 

新しい環境で心細さを感じている中途入社者を、一人ぼっちにしない工夫が必要です。

メンターやバディ制度が有効です。仕事のことはもちろん、ちょっとした疑問や不安も気軽に相談できる「頼れる先輩」がいるだけで、心の負担は大きく軽減されます。部署全体でウェルカムな雰囲気を作ることも大切です。

【対話重視】「本音」をキャッチする時間を作ろう! 

定期的な1on1は、認識のズレを修正し、不安を解消するための絶好の機会です。

入社初期は週1回など、頻度を高めに設定するのがおすすめ。

進捗確認だけでなく、「困ってることはない?」「期待と違うと感じることはない?」など、本音を引き出すような問いかけを意識しましょう。

【関係構築】「仲間」として繋がるキッカケを作ろう! 

仕事に慣れるだけでなく、チームや組織の一員としてスムーズに溶け込めるような仕掛けも重要です。

ウェルカムランチや自己紹介の機会はもちろん、他部署のメンバーを紹介するのも非常に効果的です。

例えば、「入社1ヶ月以内に、他部署のキーパーソン5名と顔合わせする」といった仕組みを取り入れることで、部署を超えた繋がりが生まれ、組織への理解が深まります。

これを上司の役割として明確にし、人事が進捗を確認するのも良いでしょう。

「イケジン」で、人事に面白さを、もっとワクワクを!

中途入社者が直面する「見えない壁」。これにどう向き合うかは、個人の活躍はもちろん、組織全体の未来を左右する大切なテーマです。

今回の記事が、あなたの会社での取り組みを考える上でのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。

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その仕事は、会社の未来を創る、本当に重要で、やりがいのある仕事ですよね。

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